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柚月 裕子『蟻の菜園』 [書評]

柚月 裕子の『蟻の菜園』を読みました。
いわゆる首都圏連続不審死事件(実際の裁判で、被告Kの死刑が確定している)をヒントにした小説だが、本作で描かれているのは、むしろ、最近いろいろな側面で話題となっている子どもへの虐待事件であり、不幸な生い立ちを持つ二人の姉妹の物語である。

いあゆる犯人探しのミステリではないので、その事件に至る背景を探るルポライターの物語です。
物語の途中から、二人称表現、「あなたは・・」という語りの部分が出てくるのだが、この語り手が誰なのかが、最大の謎と言っていい。また、本書のタイトル『蟻の菜園』も、どこからくるのか、謎だと思いながら読んでいたのですが、ともに最後に明かされます。

だた、妹のほうが、お金に困って、結局犯罪にはしるのだが、その原因がパチンコというのは、まあ、ギャンブル依存症と言ってしまえばそれまでだが、すこし安直にすぎるような気がしました。


蟻の菜園 ‐アントガーデン‐ (角川文庫)

蟻の菜園 ‐アントガーデン‐ (角川文庫)

  • 作者: 柚月裕子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/06/14
  • メディア: 文庫



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