SSブログ

畠山健二『本所おけら長屋(十三)』 [書評]

畠山健二の『本所おけら長屋(十三)』。とうとう十三巻まできました。相変わらずの泣き笑いの物語で、通勤電車のなかで読むのは危険です。

特に、四話目の「ゆうぐれ」がいい。「万松」コンビの片割れ、松吉の過去がわかるお話しになっている。
印旛で百姓をしていた、松吉の兄が死んで、松吉にあとを継ぐという話しが持ち上がるが、二人の姉とは折り合いが悪く、一方、兄嫁のお律は松吉の母親代わりとして優しく接してくれた思い出があり…。おけら長屋の面々の優しさが泣けてくる。

印象的なのは、万造の言う次ぎの言葉。
「血がつながってりゃ身寄りだってえなら、おれを刺した蚊だって身寄りじゃねえか、血がつながってたって、心がつながってなけりゃ、身寄りなんざ無用の長物でえ」



本所おけら長屋(十三) (PHP文芸文庫)

本所おけら長屋(十三) (PHP文芸文庫)

  • 作者: 畠山 健二
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2019/08/01
  • メディア: 文庫



nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。