畠山健二『本所おけら長屋(十三)』 [書評]
畠山健二の『本所おけら長屋(十三)』。とうとう十三巻まできました。相変わらずの泣き笑いの物語で、通勤電車のなかで読むのは危険です。
特に、四話目の「ゆうぐれ」がいい。「万松」コンビの片割れ、松吉の過去がわかるお話しになっている。
印旛で百姓をしていた、松吉の兄が死んで、松吉にあとを継ぐという話しが持ち上がるが、二人の姉とは折り合いが悪く、一方、兄嫁のお律は松吉の母親代わりとして優しく接してくれた思い出があり…。おけら長屋の面々の優しさが泣けてくる。
印象的なのは、万造の言う次ぎの言葉。
「血がつながってりゃ身寄りだってえなら、おれを刺した蚊だって身寄りじゃねえか、血がつながってたって、心がつながってなけりゃ、身寄りなんざ無用の長物でえ」
特に、四話目の「ゆうぐれ」がいい。「万松」コンビの片割れ、松吉の過去がわかるお話しになっている。
印旛で百姓をしていた、松吉の兄が死んで、松吉にあとを継ぐという話しが持ち上がるが、二人の姉とは折り合いが悪く、一方、兄嫁のお律は松吉の母親代わりとして優しく接してくれた思い出があり…。おけら長屋の面々の優しさが泣けてくる。
印象的なのは、万造の言う次ぎの言葉。
「血がつながってりゃ身寄りだってえなら、おれを刺した蚊だって身寄りじゃねえか、血がつながってたって、心がつながってなけりゃ、身寄りなんざ無用の長物でえ」
コメント 0