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葉室麟『蛍草』 [書評]

葉室麟の『蛍草』を読みました。
NHKのBS時代劇で「螢草 菜々の剣」というドラマをやっていて、その原作が葉室麟さんだと知って手に取りました。

早くに両親を亡くし十六歳で女中奉公にでた菜々だったが、主人の風早市之進は藩政改革を目指していたが、無実の罪を着せられ、囚われの身となってしまった。驚くことに市之進を嵌めたのは、無念の死を遂げた菜々の父の仇敵、轟平九朗だった。風早家の幼き二人の子を守るため菜々は、轟平九朗との勝負にでる。
そして、市之進の妻、佐知が自分が亡くなった後の後添えには菜々を、と指名してくれるのだが。はたして、そのようにうまく話しが進むのか・・・。

また、市之進がてっきり殺されるのではと思っていたら、そこは予想が外れてしまいました。
最後の結末も、市之進と菜々が言葉を交わさずに、二人の子どもに語らせるのはうまいですね。

ただ、菜々への想いを寄せる従兄のの宗太郎が少し、かわいそうだという感想はありますね。

菜々に剣を教える、壇ノ浦五兵衛をだんご五兵衛と、そして質屋のお船をおほねなどと、言い間違えるシーンも面白みがあって、いい。こうした根底で流れる明るさは、葉室作品では『川明かり』以来で、好きな作品と言えるでしょう。



螢草 (双葉文庫)

螢草 (双葉文庫)

  • 作者: 葉室 麟
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2015/11/12
  • メディア: 文庫



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