上田秀人『竜は動かず』 [書評]
上田秀人『竜は動かず』を読みました。上田氏の作品にしては、凡庸です。あまり顧みられることがない奥羽越列藩同盟に光を当てたのは評価できるが、いかんせん、地味で、物語もはらはらドキドキする展開ではない。
仙台藩下級藩士の婿養子だった玉虫左太夫は妻との死別を機に、学問を究めるため江戸へ出奔した。そうして掴んだのが、外国奉行・新見豊前守の従者の任だった。新見はこれから正使として、日米修好通商条約の批准にアメリカに行くことになる。咸臨丸の勝海舟を追いかけるように、左太夫の乗った船は品川沖を出港した。それは日本人で初めての、世界一周の旅の始まりでもあった……。
この、玉虫左太夫は、戊辰戦争のおり、東北諸藩を回り、奥羽越列藩同盟同盟を成立させた立役者の一人として知られているそうだが、わたしにとっては、初めて知った人物です。
実際にアメリカを自分の目でみてきた玉虫。彼にとって、身分で他人を区別しないアメリカは魅力に溢れていた。ただ、結局、カレも伊達藩の旧態依然とした体制のなかで、結局切腹するはめに陥る。おそらく随分と無念であったろうと思う。この時代には、こうした無念の人が多くいたのだろうと思う。
仙台藩下級藩士の婿養子だった玉虫左太夫は妻との死別を機に、学問を究めるため江戸へ出奔した。そうして掴んだのが、外国奉行・新見豊前守の従者の任だった。新見はこれから正使として、日米修好通商条約の批准にアメリカに行くことになる。咸臨丸の勝海舟を追いかけるように、左太夫の乗った船は品川沖を出港した。それは日本人で初めての、世界一周の旅の始まりでもあった……。
この、玉虫左太夫は、戊辰戦争のおり、東北諸藩を回り、奥羽越列藩同盟同盟を成立させた立役者の一人として知られているそうだが、わたしにとっては、初めて知った人物です。
実際にアメリカを自分の目でみてきた玉虫。彼にとって、身分で他人を区別しないアメリカは魅力に溢れていた。ただ、結局、カレも伊達藩の旧態依然とした体制のなかで、結局切腹するはめに陥る。おそらく随分と無念であったろうと思う。この時代には、こうした無念の人が多くいたのだろうと思う。
竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末 上 万里波濤編 (講談社文庫)
- 作者: 上田 秀人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2019/05/15
- メディア: 文庫
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