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柚月裕子『最後の証人』 [書評]

柚月裕子の『検事の本懐』、『検事の使命』、『最後の証人』を詠みました。『孤狼の血』以来、すっかりファンになってしまった柚月裕子の佐方貞人シリーズです。ただ、私の場合は、出版された順ではなくて、物語の時系列にそって読んだので、弁護士になってからの『最後の承認』が最後となりました。

元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。そんな彼の許に舞い込んだのは、状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。果たして佐方は、無実を主張する依頼人を救えるのか。法廷物ではありますが、感動を呼ぶ人間ドラマとしての出来がいい作品です。

交通事故で息子を失った夫婦の復讐物語。その相手が、飲酒運転のうえ、信号無視であったにもかかわらず、公安委員長であったがゆえに、警察も一緒になり、その男をかばって、不起訴となった。
物語の途中、夫婦が復讐にいきつく経緯が詳しく語られる。ところが、最後で、読者の予想を覆す、展開が待っている。

ただ、これもずるいとか騙されたといった感想はなく、これもありかな、といった感想です。

このシリーズでは、『検事の本懐』の第五話も、佐方の父親、佐方陽世の起こした横領事件の真相が明らかになる物語ですが、結構泣かせます。


最後の証人 (宝島社文庫)

最後の証人 (宝島社文庫)

  • 作者: 柚月 裕子
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2011/06/04
  • メディア: 文庫



検事の本懐 (角川文庫)

検事の本懐 (角川文庫)

  • 作者: 柚月裕子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/07/24
  • メディア: 文庫



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