SSブログ

映画『町田くんの世界』 [映画]

映画『町田くんの世界』を見てきました。
事前の期待が大きすぎたせいか、それほど感激はしませんでしたが、好感の持てる作品に仕上がっています。
風船で移動するというメルヘンチックな展開は、わたしには消化不良でした。
多くの有名共演者のなかでは前田敦子が出色の出来ですね。
評価は☆☆☆☆です。

http://wwws.warnerbros.co.jp/machidakun-movie/sp/

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

リー・チャイルド『ミッドナイト・ライン』 [書評]

リー・チャイルドの『ミッドナイト・ライン』を読みました。トム・クルーズ主演の映画ですっかりおなじみのジャック・リーチャーの物語。ただ、本作は、ややおとなしめで、アクションも乏しいのが残念だが、いろいろ考えさせられる設定になっている。

偶然立ち寄った町の質屋で、リーチャーはウェストポイント陸軍士官学校の卒業記念リングを見つける。誰が、どんな理由で、このリングを手放したのか、リーチャーはそのリングを買い求め、その入手ルートを追うことになるが、薬物の違法取引で儲けているギャング団に行き着くのだが…。
やがて、そのリングは、5度も海外派兵されている、優秀な女性仕官のものであることがわかる。その女性仕官、セリーナ・ローズ・サンダーソンは最後は負傷して、除隊していることが分かる。
また、その頃、セリーナの双子の妹、マッケンジーも元FBI捜査官の私立探偵テリー・プラモルをつかって姉の行方を捜していた。
実は、セリーナは爆発に巻き込まれ、顔を随分損傷したのだが、セリーナは治療の過程で、フェンタニル中毒になり、この違法な薬物がなくては、生きていけない体になっていた。
はたして、セリーナに安寧の場を見つけることができるのか…。

前半は以外にもおとなしい展開。むしろ冗長と言ってもいいでしょう。後半、セリーナが見つかってからは、果たして彼女がどんな運命を辿るのか、緊迫感がある。
また、リーチャーはセリーナが巻き込まれた爆発事件で、彼女の部下が死んだのではないかと心配していたのだが、セリーナは「部下が死んでいたらここにいない。耐え切れなかった」と答える。きっと、ウェストポイントでは、徹底して部下の命を守るのも上官の使命としてたたきこまれるのでしょうね。これが、もっとも印象に残りました。


ミッドナイト・ライン(上) (講談社文庫)

ミッドナイト・ライン(上) (講談社文庫)

  • 作者: リー・チャイルド
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/04/16
  • メディア: 文庫



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

大門剛明『完全無罪』

大門剛明の『完全無罪』を読みました。」
今から21年前、三人の幼い少女の誘拐事件が発生する。一人は死体で発見、一人は行方不明のまま、そして一人の少女だけが誘拐犯から逃れていた。その後、その逃れた女の子、松岡千紗はやがて弁護士となる。その誘拐事件の犯人として逮捕された、小学校の用務員、平山聡史は無期懲役で服役していたのだが、その再審請求を担当することになった。そして、当時の警察官の違法な捜査と、証拠の捏造が発覚し、平山は無罪放免となる。
物語はそこからが面白くなる。平山から千紗への思わぬ告白や、平山を尾行していた千紗が発見したのは、過去自分が誘拐され閉じ込められていた家屋であったりと、そして最後は行方不明になっていた少女の死体が発見される。さて、真相はどこに…。

ただ、真犯人があまりに唐突な印象、もう少し伏線があっても良いように想う。


完全無罪 (講談社文庫)

完全無罪 (講談社文庫)

  • 作者: 大門 剛明
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/01/16
  • メディア: 文庫



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

上橋菜穂子の『鹿の王 水底の橋』 [書評]

上橋菜穂子の『鹿の王 水底の橋』を読みました。前作から4年が過ぎています。前作の細かな背景などを忘れてしまっているのが不安でしたが、最低限のことは要領よく説明されています。本作は、オタワル族の天才医師ホッサルの成長物語とみることができます。根底では、医療に関する考え方の違いと言う問題を扱っています。

東乎瑠帝国では、次期皇帝争いが勃発。オタワルの天才医術師ホッサルは、恋人ミラルとともに清心教医術の発祥の地・安房那領へと向かう。ホッサルはそこで、清心教医術に秘められた驚くべき歴史を知るが、思いがけぬ成り行きで、次期皇帝候補の片方を毒殺しようとする企てがあり、その治療をめぐって査問にかけられることになる・・・。
 
特に、清心教医術の源流ともいうべき、花部流の医師マヒム師とホッサルの論争は極めて興味深い。

マヒム師は「人の命の在り様は千差万別。なんとも、なんとも不平等なものよ。
私が言った、命を全うさせる、というのは、そういう不平等な命に寄り添って、少しでも心身を癒し、死ぬのであれば楽にいかせる」という。
一方で、ホッサルは「私が納得できないのは、できることとできないことの線引きに嘘と諦めが紛れ込む危険を、あなた方が無視していることなんですよ。医術師が神を持ちだすのは危険極まりないと、私は思う」
と主張する。

わたしの心情としては、このマヒム師の言うところにもすごく納得がいくのだが、一方で、ホッサルのいう神を持ちだすのは危険極まりないという主張にも強く同意できます。
最近、新聞でも話題になった腎臓透析の中止による死亡事とも繋がる問題ですね。

ただ小説としては、結局、毒殺を試みたのが本当にだれなのか、という謎や、今でいう血友病の少女の運命などが、残ったままで終わっている点は残念ですね。


鹿の王 水底の橋

鹿の王 水底の橋

  • 作者: 上橋 菜穂子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/03/27
  • メディア: 単行本



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

今村翔吾『羽州ぼろ鳶組  鬼煙管』『菩薩花』『夢胡蝶』 [書評]

今村翔吾の『羽州ぼろ鳶組  鬼煙管』 を読みました。 江戸時代の火消しを主人公にした物語だが、大変に面白い。そして適度に泣かせてくれる。

今回は、長谷川平蔵の頼みで、京へでばる。火を用いた奇っ怪な連続殺人を止めるためである。平蔵の息子・銕三郎も登場。この騒ぎの中、平蔵が焼死してしまうのだが、いわゆる池波正太郎の小説に出てくる「鬼の平蔵」は、先代ではなく、こちらの息子・銕三郎この であったような感じがします。


続く、『菩薩花』では、いよいよ、火消し番付をめぐって そのうらで、人身売買に手を染める火消しの一派との暗闘が描かれるが、源吾についに長男平志郎が誕生する。鳥越新之助の活躍もあります。

さらに『夢胡蝶』では、吉原での連続放火の話。遊女の哀しい運命と、自らの定めを重ねてなんとかしてやろうと義侠心をしめす纏師、彦弥が活躍する。

花魁の位について、太夫というくらいは宝暦年間には消滅していたらしい。というのは、わたしにとっては、新しい知識でした


鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)

鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)

  • 作者: 今村翔吾
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2018/02/15
  • メディア: 文庫



コメント(0) 
共通テーマ:

ジョーダン・ハーパー『拳銃使いの娘』 [書評]

ジョーダン・ハーパーの『拳銃使いの娘』を読みました。血と硝煙の匂いがふんぷんとするとする物語だ。

主人公は11歳の娘、ポリー。自分は金星から来ていると信じている。外見は静かでおとなしいけれど、内面では酸の嵐が吹き荒れていると。
そんなポリーが、自分の父である ネイトとその家族の命を狙う一味と戦う。その父ネイトも暴力と犯罪の世界の人で、ネイトの指導もあり、ポリーの酸の嵐は目覚める・・・。

映像化を考えると、もう少しポリーが活躍するシーンが欲しいところだ。


拳銃使いの娘 (ハヤカワ・ミステリ1939)

拳銃使いの娘 (ハヤカワ・ミステリ1939)

  • 作者: ジョーダン・ハーパー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2019/01/10
  • メディア: 新書



nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

今村昌弘『魔眼の匣の殺人』 [書評]

今村昌弘の『魔眼の匣の殺人』を読みました。前作、『屍人荘の殺人』に続く物語だが、 二十一世紀最高の大型新人による・・・、という触れ込みは誇大広告と思われます。物語は緊張感もなく、だらだらと続く。

前作『屍人荘の殺人』のバイオテロの影にいた斑目機関の謎を追って、葉村譲と剣崎比留子は人里はなれた村へ向かう。そこに待っていたのは、預言者と怖れられている老女だった。その老女サキミの予言では、あと二日の間に男女二人ずつが死ぬというものだった。偶然居合わせた、9人は、外界と唯一繋がる橋が燃え落ち、閉じ込められてしまう…。

以下はネタバレです。
わたしも、以前のように、謎を解くためメモをとったり、時間表を作ったりしながら読んだりしなくなったので、わたしには少し荷が重いのですが、そもそのも動機が弱い。男女二人ずつがなくなるという予言に対して、自分より他の人間が先になくなれば、自分は助かる、というのは納得がいかない。どんなふうにして、その予言を入手できるのか不明だが、人が亡くなるという結果についての因果関係も何もなく、亡くなる人数合わせだけで未来が決まるというのは、納得がいかない。それと高校生コンビの取扱いも中途半端な印象がのこる。

どうやら、斑目機関をめぐって、さらに話しは続くらしいが、三作目はわたしは読まないと思いますね。


魔眼の匣の殺人

魔眼の匣の殺人

  • 作者: 今村 昌弘
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/02/20
  • メディア: 単行本



nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

畠山健二の『本所おけら長屋(十二)』 [書評]

畠山健二の『本所おけら長屋(十二)』を読みました。相変わらず、涙、涙の物語となっています。

こともあろうに、おけら長屋に泥棒にはいった男が見つけたのは、先客のこれまた泥棒。思わぬ展開から人助けをすることになるのだが…、という第一話。

江戸に出稼ぎに出て、そのまま行方知れずとなった夫を探しに江戸にでてきた母娘。その夫を探すのに一肌脱いだおけら長屋の面々。やがて、その夫を見つけたのだが…、と言う展開の第四話。

いつもながら、万松コンビの問題解決能力にはつくづく感心しますね。


本所おけら長屋(十二) (PHP文芸文庫)

本所おけら長屋(十二) (PHP文芸文庫)

  • 作者: 畠山健二
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2019/02/07
  • メディア: 文庫



nice!(2)  コメント(0) 

C.J.ボックスの『鷹の王』 [書評]

C.J.ボックスの『鷹の王』を読みました。猟区管理官ジョー・ピケットを主人公にしたこのシリーズは、わたしの大好きなシリーズです。

今回は、猟区管理官ジョー・ピケットの危機をこれまで何度も救った盟友、ネイトが主人公といっても良い。
かつて軍の特殊部隊にいたネイト。不都合な過去を隠蔽する謎の組織が次々と刺客をネイトへ送ってきた。そしてネイトの周囲でも被害は出る。そして、ジョーの家族にも危険が及び、ついに家族と共に、ワイオミングを離れる決意をするジョーだったが、ネイトを見捨てることに抵抗もあり…。

相手は、かつてのネイトの師でもあった人物。ただ、これほどの強敵でありながら、最後は意外にもあっさりしている。それと、今回は荒事なので仕方ない気もするが、いつものように悩む、内省に富んだジョーという雰囲気ではないのが残念。

本作では、あまり登場はしなかったが、娘のシェリダンがすでに大学生になっている。このシリーズも随分長く続いたと感じました。



鷹の王 (講談社文庫)

鷹の王 (講談社文庫)

  • 作者: シー.ジェイ・ボックス
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/11/15
  • メディア: 文庫



nice!(1)  コメント(0) 

映画『マスカレード・ホテル』 [映画]

映画『マスカレード・ホテル』を見てきました。無論、東野圭吾の原作は、随分前によんだ記憶があって、そこそこ面白かった印象が残っています。ただ、映画はといえば、本筋の殺人事件のほうは、そこまで複雑にして犯行におよぶ必要性がないように思えて、原作とは変わってないようですが、少し残念です。

一方、いわゆるグランド・ホテル形式というのでしょうか、ホテルに出入りする人々の様々な人間模様を描いた細部は良くできています。例えば、新田刑事(木村拓哉)の高校時代の教育実習生(生瀬勝久)の話しなど良くできています。また、ホテルウーマンの山岸(長澤まさみ)がなぜホテルにはいったのかという逸話は原作ではもっと感激的に描かれていたように思います。でも、背筋をピンと伸ばした立ち姿は本当にホテルウーマンに見えました。

評価は☆☆☆です。
nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。