西舘牧子『終わった人』 [書評]
西舘牧子『終わった人』を読了しました。わたしにとって、とてもタイムリーな本だと思い手に取りました。随所で、頷く部分ありましたが、ただ、本書で描かれているのは、退職した直後の部分だけで、これから親の介護や自分自身の体が動かなくなるのに直面するわけで、後半生の前半部分だけの物語でした。
岩手県の進学校から東大法学部を出て、一流のメガバンクに入社して、取締役の一歩手前まで行きながら、子会社に転籍され、そこで退職をした男、田代壮介が主人公。退職後、暇をもてあまし抜け殻のようになり、ジムへ通うが、そこで知り合った鈴木から彼の会社の顧問として迎えられ、生き甲斐を取り戻す.その鈴木の突然の死から社長になることになった壮介だが、海外での事業で思わぬ事態が発生し…という展開です。
ジジババの社交場と化したジムでの素直に仲間になれない部分や、妻との軋轢、娘からの鋭い指摘など思い当たるところも多々あります。カルチャースクールで知り合った若い女の子との、心ときめく経験なども描かれています。ただそれも含めて、所詮一流企業で成功した人物の話で(本人は、そうは思っていないようだが)、最後に9千万円という借金を背負うのだが、老後のためにためたお金を使うことになるのだが、そんなお金もない庶民には少しかけ離れた話に思える。
それと、壮介が、最後に郷里に帰り、高校時代の仲間と一緒に再生しようとするのだが、高校時代の仲間とそれほど仲間意識をわたしは持っていませんね。わたしには少し美化され過ぎているような印象です。
著者のあとがきで判るのですが、「思い出と戦っても勝てない」という印象的な言葉が出てくるのですが、これを言ったのがプロレスラーの武藤敬司さんだったとはねぇ。
岩手県の進学校から東大法学部を出て、一流のメガバンクに入社して、取締役の一歩手前まで行きながら、子会社に転籍され、そこで退職をした男、田代壮介が主人公。退職後、暇をもてあまし抜け殻のようになり、ジムへ通うが、そこで知り合った鈴木から彼の会社の顧問として迎えられ、生き甲斐を取り戻す.その鈴木の突然の死から社長になることになった壮介だが、海外での事業で思わぬ事態が発生し…という展開です。
ジジババの社交場と化したジムでの素直に仲間になれない部分や、妻との軋轢、娘からの鋭い指摘など思い当たるところも多々あります。カルチャースクールで知り合った若い女の子との、心ときめく経験なども描かれています。ただそれも含めて、所詮一流企業で成功した人物の話で(本人は、そうは思っていないようだが)、最後に9千万円という借金を背負うのだが、老後のためにためたお金を使うことになるのだが、そんなお金もない庶民には少しかけ離れた話に思える。
それと、壮介が、最後に郷里に帰り、高校時代の仲間と一緒に再生しようとするのだが、高校時代の仲間とそれほど仲間意識をわたしは持っていませんね。わたしには少し美化され過ぎているような印象です。
著者のあとがきで判るのですが、「思い出と戦っても勝てない」という印象的な言葉が出てくるのですが、これを言ったのがプロレスラーの武藤敬司さんだったとはねぇ。
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